ブッダ物語●仏弟子アナリツの誓い(2)

 ブッダの弟子アナリツが、目の光を失ってからのこと。衣のほころびを繕うため針に糸を通そうとするが、見えないのでかなわない。そこで周囲に呼びかけた。
「だれか、善を求めようと思う人はありませんか。この針に糸を通していただきたいのです」
 しばし待つも、応じる人はない。あきらめかけた時、傍らに気配がした。
「ぜひ、私にさせてもらいたい」
 声の主は、ブッダその人だった。アナリツは驚いて、
「世尊は、すべての善と徳を成就なされた方ではありませんか」。
 畏れて言うと、ブッダは、
「仏の覚りを開けばとて、小善をおろそかにしてよい道理がない。世の中で、善を求めること私にすぐる者はない」。
 アナリツは、ありがたくブッダの親切を拝受した。

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