ブッダ物語●給孤独長者の述懐(1)

 ブッダ在世中、給孤独という有名な長者がいました。給孤独長者の述懐を聞きましょう。
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 私がブッダと初めてお会いしたのは、マガダ国に住む妻の兄を久しぶりに訪ねた時です。いつもなら大いに歓待してくれる義兄が、その日は大声で呼んでも、なかなか出迎えてくれません。ただ、使用人たちが騒がしく走り回っている様子が分かるだけ。
「広間の掃除は終わったか。料理の準備はよいか」と指示している義兄の声も、かすかに聞こえます。
“何の騒ぎだろう?婚礼でもあるのだろうか、国王を招待でもしたのか?”
 そんなことを考えながら待っていると、ようやく彼は出てきました。
「やぁ済まない。お待たせした。取り込んでいたもので……」
「一体、どうしたのですか?」
 すると義兄から、予期せぬ言葉が返ってきました。
「明日、ブッダをわが家へご招待するんですよ」
 一瞬、耳を疑いました。
「──今なんと言われた?ブッダですって?本当ですか?」
 私は何度も同じ問いを繰り返しました。最高のさとりを開いたブッダがましますなんて、どうしても信じられなかったからです。義兄は言いました。
「カピラの城主・浄飯王の太子シッタルタさまが、すべての人の救われる道を求めて出家し、仏のさとりを開かれたのです。国中を回られて、真実の幸福になれる教えを説いておられます」
 もし本当なら大変なことだ。ともかくお会いしてみたいと思いました。

「私でも、教えを賜ることができますか」
「もちろん。明日の朝、お会いできましょう。楽しみにお待ちなさい」
(つづく)

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