ブッダ物語●祇園精舎(1)

 ブッダ在世中、給孤独という有名な長者がいました。その長者に、こんなことがありました。
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 義兄を訪問した折に釈尊と出遇った給孤独(スダッタ)長者は、故郷のコーサラに帰るや、ブッダをお招きする精舎(寺院)建立に動きだす。最適の場所として祇陀太子の土地を見出し、早速訪ねて譲渡を願い出た。これは、その時の太子の様子である。

 スダッタというその長者の名前には、思い当たることがあった。一つはコーサラでも有数の資産家であること。二つに多くの身寄りのない者に施しを与えて、「給孤独」と呼ばれていたことだ。

“きっと名利にさとい者なのだろう”。彼が訪ねてきた時、祇陀太子は狡そうな男を想像し、会わぬ前からうんざりした。というのも、若いころからそんな輩──利権をちらつかせ、王子の名を利用して甘い汁をすすろうとする連中に、数多くイヤな目に遭わされてきたからだ。
“この男も慈善の名の下、売名や儲け話を企んでいるのだろう。どんなうさんくさい話をしてくるやら……”。内心警戒しながら、太子は彼を部屋へ通した。
(つづく)

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